英語
[総評]
構成・問題数ともにほぼ昨年度と同じであった。大問Ⅰ・Ⅱでは、これまで出題されていた、適切な和訳を選ぶ問題は出題されず、すべて英問英答となっていた。しかし、設問はいずれも明快なものが多く、参照すべきパラグラフが示されているので、該当箇所を丁寧に読めば比較的スムーズに取り組めただろう。解答時間は70分あるので、時間に余裕を持って解けたと思われる。一次突破には70%以上の正答率が望まれる。
数学
[講評]
■設問ごとの特徴
問題Ⅰ [微分法と積分法] (標準)
問題Ⅱ [確 率] (標準)
問題Ⅲ [2次曲線] (標準)
■全体的な特徴
◇問題形式・問題量・出題内容
大問数,出題形式に変化はなかったが,例年に比べると計算量は軽減され,解きやすくなった。やや調べ尽くすのに手間のかかる確率を出題してくるのは本学の特徴である。
[Ⅰ] 変曲点は数学Ⅲの用語であるが,3次関数の極値に関する問題なので,実質数学Ⅱの内容である。文字定数を多く含む式が相手なので,闇雲に出てくる数式を処理しようとすると大変である。3次関数のグラフの特徴をあらかじめしっかり学習できていれば,[解説]にあるような図形的な処理が可能であり,大きく点数差がついたのではないかと思われる。
[Ⅱ] 袋から取り出す球の色に応じてxy平面上を動く点Pに関する確率の問題である。(1),(2)は「取り出した球を袋に戻す(反復試行)」,(3),(4)は「取り出した球を袋に戻さない」となっており,前半と後半で設定が異なることに注意して,題意を満たす事象をすべて列挙することができるかが問われている。試験場では,気持ち的に慌ててしまうだろうから,想像以上に時間がかかることを覚悟しておかなければならないだろう。
[Ⅲ] 座標平面上の楕円の極方程式が与えられているので,それを直交座標(x,y)に関する式(標準形を平行移動したもの)に書き換えることができればよい。標準形の楕円の焦点など,覚えておくべきことを覚えていればスムーズに解くことが可能である。(3)は楕円を円に変換して考えると図形的に楽に処理できて時間短縮できる。
◇難易度
昨年度と比べると内容的には易しくなった。しかし,解答時間に対する作業量がやや多めであることは例年通りなので,解く方針を立てるのに迷っている時間はあまりない。
◇受験生へのアドバイス(合否のポイント、差のつく設問など)
[Ⅰ]を[解説]にあるように処理するには,あらかじめしっかりと準備をしていなければならない。本学に限らず,私大医歯薬系統のマークシート形式の問題を短時間で処理できるようになるには,「知識量で攻める」問題なのか,「ひたすら手を動かして調べる」問題なのかを見極め,後者の問題に解答時間を多く配分できるような訓練が必要である。
まずは,教科書の内容を満遍なく学習し,今年度の[Ⅲ]のような,計算ミスさえしなければ完答できる問題で取りこぼすことがないように準備してほしい。そして,うまい方法はなくひたすら調べていくしかない問題(場合の数・確率や整数など)もできるだけ多く解こう。似たような問題を解いた経験があるか否かは,数学の筆記試験においても大きく影響する。