入試を熟知した北予備のプロ講師が2026年度共通テストの科目ごとの特徴を解説します。
共通テスト1日目
歴史総合・世界史探究
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
昨年度より新カリキュラムに基づき、歴史総合から25点分、世界史探究から75点分が出題されている。大問数(5題)、問題数(32問)は、ともに昨年度(2025年度)と変わらずであった。問題内容としては、資料・統計・古地図・図像等を用いた考察問題がかなり増加し、地図上の位置を問う問題や単純な正誤問題はほぼ姿を消した。統計問題は昨年度4問から減少して計3問の出題、年代整序問題は昨年度と同じく2問となっている。難易度に関しては、やや難しい問題も散見されたものの、標準的なレベルの歴史事項を問うものがほとんどであった。
◇今回のテストで求められた力,来年度受験生へのアドバイス
近年、考察問題が年々に増加している。そこで求められる力とは、資料の文章内容や統計を読み取る力である。加えて、空欄補充問題についても、歴史上の語句を単純に尋ねる形式は減少し、語句の説明や因果関係を尋ねる形式が増加している。年代についても、今年度(2026年度)は歴史年代を単純に尋ねる問題が姿を消し、年代整序問題(それも地図や文章の並び替えを求めるもの)のみとなった。いわゆる一問一答の記憶に頼る勉強方法では、もはや高得点は望めない。よって、普段の学習から一問一答の学習スタイルを捨てて、一つひとつの歴史事項を掘り下げた学習を行わなければならない。掘り下げた学習とは、具体的に、歴史事項の背景、内容、影響などを体系的に整理してノートにまとめることであったり、付箋を用いるなどして疑問点を書き取り、科目担当者に尋ねる、もしくは図書館やインターネット等で自主的に調べものをしてノートに取ったりすることを指す。近年の共通テスト問題のリード文が、まさにそのような学習方法を促している。その過程で、膨大な量の文章を読解する力も養成されるはずだ。これも近年の共通テストで問われている能力である。 これらの学習の潤滑油となるのが、歴史に対する興味である。文学や絵画から漫画や映画にいたるまで、様々なメディアを通じてそれらの興味を常に持ち続けることもまた、有効な学習活動であることも付記しておきたい。
歴史総合・日本史探究
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
大問6題(小問34題)で構成され、小問数が1題増加した。昨年度から歴史総合の分野が出題されるようになったが、本年度の設問は世界史の詳細な知識を前提としないものがほとんどで、受験生は解きやすく感じたのではないだろうか。全体として資料や図版を読解・分析する必要があったために、時間的な余裕があまりなかったのではないだろうか。一方で史料の大部分が現代語訳となり、並び替え問題は1問のみの出題にとどまった。さらに文化史的な設問も減少した。新傾向の設問として、受験生が解答を選択する形式が出題された点は注目される。また、出題範囲は、歴史総合を含めて近現代史の割合がやや増加している。全体として難易度はやや易化。第1問の歴史総合の分野は、昨年と比較して易化している。世界史の知識が必要な設問は、問3だけであり、チェルノブイリ事故や阪神・淡路大震災、東日本大震災などは予想された範囲の設問であった。また、第2問の問3は受験生に選択させる形式で新傾向のものであった。第3問の問4は正解を迷った受験生がいたのではないだろうか。第6問は55年体制の崩壊に関する設問があり、やや難易度の高い設問があった。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
歴史総合の分野は、まだ明確な傾向があるとは言えないが、世界的に大きな話題となっている事象や問題などを主体とした設問が多くみられることから、日々の生活において好奇心をもって情報を得ていく姿勢が求められる。一方で、センター試験では定番でもあった原文史料の読解形式から現代語訳の史料が中心となっているので、与えられた資料や図版などと複合的に分析する力や考察力が不可欠となっている。歴史的な用語を一問一答形式で暗記するだけでは、正解を導けない設問が多く、歴史的事象の要因や原因、さらにその結果までを考察しながら歴史を学ぶことが必要である。今回の設問において、解答番号3・18・23・30・33がやや難易度が高い設問であったように思われる。
地理総合・地理探究
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
第1問と第2問は「地理総合」との共通問題である。大問数とマーク数は昨年から変化はない。全体的に基礎・基本の定着度をはかる設問が多かった。第2問の問1は,地図(図1)で示された地域と,写真と文章で示された地域(資料1)を組み合わせるのがやや難解で,受験生の中には戸惑いを感じた人がいたと考えられる。また,第6問の世界地誌に関しては,従来のような特定の地域に関する地誌ではなく,「河川流域」というテーマに沿って,各地域を比較させるという内容だったが,難易度はやや平易であったため,受験生にとっては比較的に解答を導きやすい設問が多かったと考えられる。 今回は新課程が導入されてから2回目の入試となったが,地域の性格を丁寧に比較させるような,地理本来の基礎・基本をおさえた設問が多かった。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
地理のみならず,社会科目すべてに共通することだが,社会科目は決して「暗記」だけで突破できる科目ではない。地理においては,地理的思考力が強く求められる。その思考力を養い,「考える力」を身につけるためにはもちろん,基礎・基本となる知識力は必要である。その知識をどのように使って正解を導くのか。それは数週間で育まれるものではない。数か月,一年と長い時間をかけて根気強く学習を続けた結果として得られるものである。また,普段の授業を決して軽く見てはならない。教科書に示されている図表や写真,指導者が話す説明のすべてに高得点ゲットに繋がる道筋が隠れている。 さらに,資料集などをただ眺めて「知ったつもり」で満足することなく,模擬試験や共通テスト(センター試験)の過去問など,自分で実際に問題を解いてみるという学習に力を注いでほしい。どれだけ武器(知識)を身につけていても,戦い方(解き方)が分からないと得点には繋がらない。来年の試験本番に向けて,万全を期してほしい。
公共、政治・経済
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
問題数が昨年より2問増加し、難易度としても昨年より難化しているように感じられる。思考力や読み解く力を重視する問題が多く、得点差が広がる可能性もある。資料の分量が多すぎる出題はないので、時間が不足するということにはならなかったのではないだろうか。出題傾向としては、各国際機関の役割について正確におさえる必要がある問題、近年の国会の状況を踏まえた上で予算や法律の成立状況、現在の状況を背景として思考させる問題など、単なる知識だけではなく社会での出来事に関心を持っているかを確認するような出題が目立った。また、いずれかの立場を選択し、その立場に応じた内容を選択させる問題が複数出題されていることも印象的であった。 21・22の出題は2020年本試験28の類題であり、過去問演習の重要性が感じられた。27の「応益」「応能」は受験生になじみが薄い語句であり、考えにくかったかもしれない。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
すべて教科書の内容からの出題である。ただし、単純に重要語句を暗記するだけでは得点を高めることは難しく、出来事と出来事の流れを捉え、なぜそうなるのかという理由を日頃から意識し、学習することが必要である。また、現在の政治的状況や環境などの課題を基礎とした出題もあり、新聞などで時事的な話題に触れておくことも必要である。
公共、倫理
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
問題数は1問減。高得点は取りにくい問題と言え、難易度は決して低くない。現代思想や生命倫理からの出題が多く、実存主義からの出題がないなど、バランスがとれた出題とは言いづらい。源流思想や西洋思想、生命倫理では、他の選択肢から判断できるとはいえ、教科書に記載のない内容や用語集にしか書かれていない内容を出題するなど、受験生にとって容易ではない出題がある。また、資料などの読解問題も容易とは言えない。絵画を用いた出題もある日本思想は、教科書に沿った出題であり、各思想家の基本的な事項を押さえておけば得点しやすいと言える。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
教科書内容からの出題は確実に得点する必要がある。また、資料などの読解には意識的に取り組み、資料の内容から判断する習慣を持っておかなければならない。倫理に関する知識をより広められるように、資料集の内容にも触れておいて、備えておかなければならない
歴史総合
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
昨年度(2025年度)より新カリキュラムが導入され、歴史総合からは大問数は2、問題数は各8問で、合計16問(昨年度と変わらず)、合計50点分が出題されている。 問題内容について言えば、資料や統計、歴史地図や会話文、メモ、ノート、パネルなどを用いた考察問題が数多く出題されている。今年度(2026年度)は、年代整序問題がなく、空欄補充問題と考察問題のみが出題された。統計を用いた問題は、昨年度の2題から4題に増加している。地図を用いた問題も2題から3題に増加しているが、今年度の問題は地理上の位置を尋ねるものではなかった。したがって、難易度は標準的で、教科書を超えない基本レベルからの出題ばかりであった。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
探究科目だけではなく、総合科目においても、資料や統計などを用いた考察問題が数多く見られる。そこで求められる力とは、資料の文章内容や統計を読み取る力である。よって、いわゆる一問一答の記憶に頼る勉強方法では、太刀打ちできない。普段の学習を一問一答の学習スタイルに頼るのではなく、一つひとつの歴史事項を掘り下げて学習するスタイルを、一刻も早く確立せねばならない。掘り下げた学習とは、①歴史事項の背景、内容、影響などを体系的に整理してノートにまとめること、②付箋を用いるなどして疑問点を書き取り、科目担当者に尋ねること、③図書館やインターネット等で自主的に調べものをしてノートに取ること、④様々な書籍やメディア(漫画や映画なども含む)、文学・芸術作品に日頃から親しむことなどを指す。その過程で、膨大な量の文章を読解する力も養成されるはずだ。 これらの学習の潤滑油となるのが歴史への興味である。それが学習活動の重要な土台であるということもまた、アドバイスの一つとして付記しておきたい。
地理総合
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
第1問と第2問は「地理総合,地理探究」との共通問題である。全体的に学習指導要領に沿った,基礎・基本的な内容を中心とした出題だった。また,従来の共通テストと同様にさまざまな図表や写真,地図などを用いた「資料」を作成するという設定の設問が見られた。なお,選択肢の数は,正誤判断以外では,4択~6択の組み合わせの設問が多かった。第2問の問1は,地図(図1)で示された地域と,写真と文章で示された地域(資料1)を組み合わせるのがやや難解で,受験生の中には戸惑いを感じた人がいたと考えられる。 第3問の問4は,図4・5を見比べながら適当な条件を探す点がやや難解で,戸惑う受験生が多かったのではないかと考えられる。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
従来から「地理的思考力」という表現が用いられているように,問題を解答する上では考える力が強く求められる。思考力を身につけるためには,基礎・基本的な知識を身につけ,それを土台に図表などの読み取り問題から自分の力で正解を導く力を鍛えておきたい。日頃から丁寧に学習を進め,「覚える」だけでなく,「解く」という学習活動に力を注いでおこう。
公共
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
・平易な出題で、満点に近い得点が可能だと思われる。
・解答時間は十分に確保できたのではないだろうか。
・グラフの読み取り問題においては、判別は難しくないが、「数」と「率」の違いには注意が必要であった。
・会話文の空所補充問題は難しくはなかった。
・すべて教科書の内容からの出題であり、基本的な知識を問いかける問題が中心であった。
・問題量は前年度と同じであった。
・政治・経済・倫理的各分野からの出題の割合は、バランスがとれていた。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
・前年度の「ハーバーマス」や今年度の「ロールズ」など、教科書で扱われている分量や内容が多い思想家とその思想内容に関連する政治的・経済的内容(今年度であれば社会保障制度)を重点的に学習する必要がある。
・政教分離の問題については、類似の問題が2022年度共通テストの「政治・経済」で出題されており、この点については「公共」や「政治・経済」 の選択者に有利に働いていると思われる。
・教科書中心の学習を続けつつ、過去問を活用することで、知識の定着と資料読解のスピードアップを両立させてほしい。
国語(評論)
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」からの出題。
出題傾向に関しては、複数の文章ではなく、単一の文章が出題され、また、設問の選択肢がすべて四者択一であった。この傾向は、2025年の本試および追試の第1問と全く同じである。問題文の長さや設問の数、配点も2025年本試とほぼ同じであり、過去問を演習していた受験生にとっては取り組みやすい問題だったと思われる。 各設問に関しては、漢字問題、内容や理由を説明する問題など、評論で頻出する問題が出題されており、設問のパターンの変化は見られない。なお、問6は迷いやすい問題だと思われるが、他の設問の難易度は高くなく、しかも、四者択一なので、全体として正解率は高いと考えられる。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
2021年から2024年の共通テストの第1問では、複数の文章が出題され、設問の選択肢の多くは五者択一であったが、2025年および2026年の共通テストの第1問では、単一の文章が出題され、設問の選択肢はすべて四者択一になった。この流れによると、2025年を境に問題の傾向が変わった可能性が高いと考えられる。したがって、来年度の共通テストの第1問も、単一の文章が出題され、設問の選択肢は四者択一になると予想される。また、設問のパターンは、センター試験の頃と変わらず、漢字問題、内容や理由を説明する問題などが出題されているため、センター試験の過去問などを素材として十分な練習を積めば、安定した高い得点が望めると考えられる。
国語(小説)
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
遠藤周作「影に対して」からの出題。
出題傾向に関しては、2025年共通テストの第2問と比べて、変わった点と変わらない点がある。まず、変わった点は、問6において他の資料(他の場面を抜粋し考察したもの)を踏まえて説明する問題が出題されたことである。このような問題は、2021年から2025年の共通テストで出題されていた問題なので、「復活した」というべきかもしれない。一方で、変わらない点は、設問の選択肢がすべて四者択一だったことである。第1問においてもすべて四者択一であったので、選択肢を吟味する時間を節約できるという点で、受験生の負担を減らしてくれたにちがいない。 各設問に関しては、過去に出題されていた語句の意味を問う問題は出なかったものの、内容や表現を説明する問題など、小説では頻出する問題が並んでいたため、解きやすかったと考えられる。なお、問5や問6(ⅱ)は迷いやすい問題だと思われるが、他の設問の難易度は高くなく、しかも、四者択一なので、全体として正解率は高いと考えられる。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
前述したとおり、他の資料を出題するというパターンが「復活した」ものの、膨大な分量の資料ではないため、特別の対策の必要性は感じない。配点の大半を占めるのは、それ以外の心情や表現を説明する問題であることを考えると、センターの過去問を素材として、いわゆる定番の問題にしっかりと対応できるように問題演習を重ねることが最良の対策となる。
国語(実用文)
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
(出題傾向)小問は問3まで、マーク数が4問であるのは、昨年と変化なし。自分の選んだ本にどのような工夫が見られるかという課題に対して、『イワシ むれで いきる さかな』という絵本に見られる工夫をまとめたMさんの下書きである【文章】を軸に各問題が作られている。昨年のようなグラフの数値分析問題はなくなり、【文章】を適切な表現に修正する問いが中心であった。問1では昨年問2と同様に【文章】の修正が出題されたが、問2では段落の趣旨にそぐわない箇所を削除させる問題が出題された。また【文章】の空欄を埋める問題は昨年同様出題されたが、今年はその準備として【資料Ⅱ】【資料Ⅲ】の特徴を表にまとめた場合の誤りを含むものを選ぶ形式になった。「今後の方針」についての問題も昨年同様出題されたが、昨年が加筆・修正の方針であるのに対して、今年は工夫の考察のための方針の内容を選ばせるものであった。全体として、生徒が作成した【文章】を軸にして各資料を分析させる形式は変化していない。資料数は昨年と同じだが、昨年のようなグラフは見られず、昨年よりも文章形式の資料が増えている。またイワシの回遊モデル、絵本の挿絵が図として出された。
(問題量)問題数は変わらない。選択肢の長さについては昨年が全て2行だったが、今年は1行が2問、2行が1問、3行が1問だった。なお問3のⅰのような2つの組み合わせから選択肢を選ぶものは昨年本試験では出なかったが追試験では出題されている。 (難易度)文章の資料が増えたが、昨年のようにグラフの分析もなく、また、資料の文章も平易な内容であった。ただし、選択肢に用いられた表現や用語を正確に理解して、解く必要がある。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
・出題は、昨年度入試と同様、生徒の書いた文章を軸にして、各資料を読んで、修正や方針を立てるものであった。今年度は資料中のグラフの数値分析問題は出されなかったが、資料の中での図の読み取り問題は問3のⅰで出題されている。資料の中の図を分析したり、表された内容をまとめたりする力は必要。また複数の資料が出るので問題の意図から資料を素早く読み取る力は必須である。
・問3のⅰの選択肢では「擬音語や擬態語」、「時系列」などの表現の特徴を示す用語が用いられていた。過去のセンター試験も含め文章の表現の特徴を示す用語は、今後の学習でよく確認しておく必要がある。また文章や資料の特徴や表現・効果を表す選択肢の言葉(今回の「具体的に」「臨場感」「リアリティー」など)が、どのような場合に使われるのかを、今後の学習で問題を解いた後の復習で整理しておくことも、来年の入試につながるであろう。 ・生徒の文章を修正したり加筆・削除する問いが昨年・今年と連続しているので、自分で文章を書いたり、他人の文章を読んだりする際にも、どのようにすればよりわかりやすい文章になるか、といった視点を持つことも大事である。
国語(古文)
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
出典は平安時代の物語『うつほ物語』で、本文と問5に用いられた。親子四代にわたる琴をめぐる物語で、子供の誕生とその子の父と祖母による見事な琴の演奏を描いた場面である。本文に段落番号が付され、語彙と文法の知識および内容についての説明の正誤を読み取らせる問いの組み合わせとなっており、各設問は共通テストの従来の形式から大きな変化はないが、2022年度から2025年度まで続いた、文章または生徒・教師の対話の空欄を埋めるという形式ではなかった。また、共通テスト本試験では初めて和歌を一切含まない文章であった。小問は問5まであったが、マーク数は7で前年と同じである。
問1 単語と文法、打消呼応などの知識を問うもので、本文と突き合わせなくても解答できる設問であった。
問2 語彙や助動詞と敬語(敬意)の理解で二択に絞れるが、正解にたどり着くには人物関係の正確な読解が必要である。
問3 各選択肢と本文の該当箇所とを丁寧に照合して誤りを見つける必要がある。
問4 問3と同様であるが、選択肢の文が長く5つなので、時間を要した受験生が多かったかもしれない。
問5 二つの文章を見比べる問題であるが、主に「本文では…」以下で絞っていくとよい。選択肢が5つでやや紛らわしい。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
問1と問2は重要単語と文法をきちんと記憶していれば短時間で解ける問題である。問1が本文との照合なしに解答できるという点は2025年度と同様であり、語彙力の重要性が印象づけられた。例年、敬語の敬意は問われているので敬語は確実に押さえたい。問3と問4は指定された段落からの正誤問題であるが、本文の該当個所を素早く見つけて吟味するスピード感、本文と一見一致しているようにみえる選択肢の表現の中にある誤りを見つける読解力・思考力が必要であった。 単語と文法は手間をいとわずに早めに習得して得点源とし、さらに過去問をはじめ多くの問題を解いて、配点が大きいであろう今回の問5のような問題を確実に得点できるようにしたい。経験値を積み、問題の形式が大きく変わっても慌てず対処できる柔軟な判断力をつけておくべきである。また、今回出題されなかった和歌の解釈や修辞についても押さえておきたい。
国語(漢文)
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
昨年に引き続き、日本漢文からの出題。江戸時代の漢学者長野豊山による作詩のあり方について述べられた文章であった。本文の読解に格別に難解な箇所はないが、選択肢にやや迷う受験生が多かったと思われる。昨年よりもやや難化したと言えよう。
問1は、語義と文脈との双方の理解が求められる。
問2は、部分否定・二重否定「不必不━」の正確な解釈が必要。
問3は、句形・語法に加えて、文脈と照合する読解力が求められている。
問5は、「其」の指示内容を慎重に判断しなくてはならない。
問6は、選択肢の文言の判断にやや苦労すると思われる。 問7は、資料の内容を把握できれば、紛らわしい選択肢はない。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
共通テスト本試で高得点を目指すためには、早期から根拠をもって解答する心がけが必要となる。重要語・句形などは、文章を読む、あるいは問題を解くたびに習得する必要がある。また、漢文のジャンルを幅広く学習することが求められる。その際に「なんとなく」ではなく、語法を意識しながらの読解を進める必要がある。
英語(リーディング)
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
①出題傾向
大問数は昨年と同様、全8題構成であった。例年通り文法・語彙を問う問題は出題されず、全て読解問題で構成されていた。各大問の形式も昨年を踏襲しており、大きな変化はなかったと言える。
第1問はメッセージのやりとりを読み取る問題で、同様の形式は過去にも出題されており取り組みやすかった。昨年同様、本文の内容に一致するイラストを選ぶ設問が含まれていたが、情報の複雑さはなく昨年に比べ解きやすかっただろう。昨年の第1問は全体の正答率が低かったので、それを受けて易化した可能性がある。
第2問では、共通テスト英語リーディングでおなじみの事実(fact)と意見(opinion)の判別問題が今年も出題された。
第3問は昨年に引き続き短めの物語文の読み取りで、難単語や突飛な展開もなく読みやすかったはずである。ただし、選択肢を時系列順に並べ替える設問は例年正答率が低くなるので注意が必要である。
第4問は状況設定や設問に多少のマイナーチェンジはあったものの、ほぼ昨年と変わらない形式だった。昨年同様、第4問は得点源としたいところである。なお、今年はディスコースマーカーを挿入する問題が出題されなかったが、引き続き頻出のものを覚えておくことが大切である。
第5問は複数のソースから情報を読み取る問題だが、昨年の「メールのやりとり」から今年は「リーフレット・入力フォーム・Eメールの読み取り」という形に変わっている。解答に必要な情報が複数箇所に散りばめられているので大変だが、設問を先読みし予めキーワードをつかんでおいて、本文にチェックを入れながら読むとよいだろう。
第6問では昨年同様物語文が出題された。特殊な舞台設定であった昨年と比べ、ファンタジー要素を排除した現実味のある話だったので、若干読みやすかったであろう。場面転換も少なく、その点でも受験者の負担は減ったと思われる。時系列順に選択肢を並べ替える問題は少々難易度が上がるが、過去問に取り組み物語文の構成を理解していれば対処できたであろう。
第7問は例年通り「プレゼンテーションのための記事を読む」問題だが、昨年のようなメモ形式ではなく、プレゼンテーションのスライドを埋める形式となっていた。スライドを埋める形式の設問は過去に出題されているので、こちらも過去問に取り組んでいた受験生なら落ち着いて取り組めたと思われる。
第8問は昨年同様、複数の意見と記事を読み取る問題であった。昨年に比べStep1の文字数が少なくなっており、扱われるテーマも平易なもの(スポーツと科学技術)だったので、全体的に取り組みやすかったはずである。
全体的に扱われているテーマは、日常的なものから、時代を反映したものまでさまざまである。語彙・文法の基礎固めと合わせて、時事的な文章にも触れておくとよいだろう。
②問題量
昨年に引き続き、大問8題構成となっており、マーク数も変わらず44個であった。
③難易度 全体的に昨年よりやや易化。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
①緩急のバランス
受験生にとって共通テスト英語の最大の課題は、「時間が足りない」ことである。例年通り、1つ1つのセンテンスを日本語に直しながら読解していく方法では時間内に解き終えることができない設計になっている。「速読」箇所と「精読」箇所の読み分けをすることで、読解に緩急をつけて結果的に短時間で答えが出せることが重要である。
②必要な情報を素早く検索するスキル
そのために必要なスキルの1つはスキャニング・スキルである。ほとんどの設問には、解答の根拠となるヒントが盛り込まれ、それらを本文から検索する能力が問われている。問いのリード文やメモの空欄前後から検索対象となるキーワードを自分自身で設定し、それを本文から探す。そうすることで求められていない部分は速読し、根拠箇所は精読するという強弱をつけることができる。
③要旨を理解するスキル
とくに今回の第7問のような論説文では、全体および段落ごとの要旨を的確につかむことが重要である。段落ごとに何を言おうとしているのかを理解し、本文全体のテーマをとらえながら読むスキルなしには、共通テストは戦えない。
④解き方
文章情報をイラストに変換する力、言い換えの判別、時系列の把握など、頻出の形式に対する解法を身につけておくことが大切である。設問からキーワードを見つけ、本文中で探すという基本的なアプローチを早い段階で身につけよう。また、本文に書かれてある内容から推論する力も求められる。
加えて、英文を読むときは「正確な発音」も意識しよう。文章を読むとき、人はどうしても頭の中で文字を音声化して読んでしまう。そのため、発音が不正確だったり、そもそも発音が分からなかったりする場合、当然文章を読むのも遅くなる。日頃の学習に音読の練習も取り入れてみよう。
■来年度受験生へのアドバイス 共通テストは、受験必須レベルの語彙・文法の定着を前提として作られる。まずは基礎固めを徹底し、その上で上記4点を養成することが高得点への近道となる。
英語(リスニング)
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
・大問数・マーク数はともに昨年度と同じだが、第4問Aは従来とは異なり、選択肢にダミーのイラストが1枚追加された。
・読み上げ総語数は1,600語程度で、昨年度とほぼ同じであった。また、設問・選択肢の総語数は500語程度で、昨年度(470語程度)より増加した。
・音声の読み上げ回数に関して、2回読み(第1問・第2問)と1回読み(第3問・第4問・第5問・第6問)の混在は昨年度と同じであった。
・イギリス英語やネイティブではない話者などの多様な話者による英語音声が、昨年度に引き続き出題された。
・日常的な対話から大学の講義、3人のアイデアや意見交換など、昨年度同様さまざまなジャンルから出題された。 ・難易度は、昨年度よりやや難化した。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
◆今回のテストで求められた力
・音声の聞き取り力、ほかの表現への言い換え力、さらには図表やワークシートなどの読み取り力や聞き取った情報を合わせて判
断する能力が問われた。
◆来年度受験生へのアドバイス
・継続して「英語耳」を鍛えることが、リスニング力の向上につながるため、習慣的に英語を聞く必要がある。また、英語の語順
に慣れるように、英文を繰り返し声に出して読むことを勧める。さらに、練習ではすべてを聞き取ろうとするのではなく、聞き 取るポイントを絞って聞くこと。
物理基礎
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
◎例年通り各分野からバランスよく出題され、スマートフォンを用いた測定実験など、実際の実験に関する出題が多く,以前出題されていた会話文のような問題は無かった。
設問数・マーク数は1減少。若干解きやすくはなったものの、難易度は例年並みと思われる。
第1問:小問集合では、抵抗率の単位、放射線の単位など、教科書に載っている基礎的な知識が問われた。
第2問:グラフを選択する問題があったが、実験の問題は、題意さえ汲み取ることができれば難しくはない。
第3問:Aは水を加熱して蒸発するまでの過程についての問題、Bは試料をヒーターで加熱する実験についての問題であった。Bの抵抗で発生する抵抗から発生するジュール熱の比較実験の問題では、ヒーターから発する熱をどのように立式し、比較するかで解答時間に差がついたであろう。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
◎まず、教科書での基本公式と基本原理の習得が必須となる。次に例題による基本公式の使い方を反復練習すること。知識はなんとなくの知識ではなく,しっかりと細かい部分まで必要となる。実験の問題では、何のために行う操作なのか、結果から何が考察できるかを意識しながら練習問題を解くことが重要となる。そして、過去問は早い段階で演習しておくこと。
化学基礎
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
出題傾向
昨年と同様に、第1問は小問集合、第2問は特定のテーマに基づく総合問題という構成で出題された。今年度の第2問のテーマは「肥料として利用される物質」であった。全分野から幅広く出題されているものの、分野間にはやや偏りが見られた。計算問題では、含有率(質量パーセント)に関する設問が3問出題された一方で、密度計算、滴定、電池・電気分解に関する設問は出題されなかった。
問題量
昨年度は、計算結果を選択肢ではなく有効数字2桁の数値で直接解答する問題や、反応式の係数を複数箇所で求める問題が出題されたが、今年度はこれらの設問は見られなかった。そのため、マーク数は減少したものの、問題数自体は昨年と同程度であった。解答時間に対して問題量は適切であり、受験生は比較的余裕をもって取り組めたと考えられる。
難易度
昨年度と比較すると、第2問における計算問題の数は減少した。また、自ら反応式を立式した上で計算を行う問題、方眼紙を用いた問題、計算結果を数値で直接解答する問題は出題されなかった。さらに、第1問では教科書や標準的な問題集で頻出の設問が多く見られた。これらの点を踏まえると、全体として難易度は昨年度よりやや易化したと推測される。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
第1問・第2問のいずれにおいても、基礎的な知識や考え方を問う問題と、思考力を要する問題が出題された。そのため、学習にあたっては、化学の基本となる考え方や規則を確実に理解しておくことが重要である。単なる暗記にとどまらず、「なぜそうなるのか」を意識して学習を進める必要がある。化学基礎の内容は、粒子の概念の理解、化学結合の理解、物質量を中心とした量的関係の理解、酸と塩基の理解、酸化還元の理解という順に段階的に深まっていく。問題演習において理解が行き詰まった場合には、現在学習している単元だけでなく、それ以前の内容に理解不足がないかを確認したい。中学校で学んだ内容が基礎となっている場合も多く、必要に応じて基礎に立ち返ることが有効である。また、今年度出題された計算問題のうち、3問は含有率(質量パーセント)に関する設問であった。化学基礎における計算問題の多くは、比例や割合の考え方を用いて解くものである。公式を覚えるだけでなく、「全体のうちどの程度の割合か」を意識して計算に取り組むことで、計算問題への対応力を高めることができる。
生物基礎
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
例年同様、大問3つでそれぞれの大問がA・Bの問題に分かれていた。例年より基本事項を問う問題がやや増加し、センター試験のレベルに戻ったような印象がある。問題量も適量であり、表・グラフを読み取る問題が多いため、きちんと文章や表・グラフを読み取ることができたかどうかで出来が分かれると考えられる。光合成の問題で明条件・暗条件という生物基礎の内容を超えているものも見られたが、問題をよく読めば答えられるようになっている。難易度は平年並みかやや易である。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
今回の問題では、基本事項の正確さと図・表・グラフの読み取りができているかどうかが試された。このような傾向は来年度も続くものと考えられる。したがって、教科書や問題集だけでなく、共通テストやセンター試験の過去問題を用いて、グラフ・表を読み取る練習、および初めて見る実験の問題を解く練習を重ねることが求められる
地学基礎
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
出題傾向、問題量は例年と比べ大きな変化はない。出題形式、選択肢数も同様である。語句選択問題も例年同様、組合せを選ばせる問題が多い。計算問題が2題出題されたほか、図や写真を用いた設問もみられた。全体的には教科書に準拠した基本的な良問が多かった。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
基礎的内容が多いが、一部に詳細な内容も問われている。また、図や写真から考察する力が求められる問題もみられた。受験生諸君は、教科書レベルの基礎的な内容を単なる暗記でなくしっかりと理解することが重要である。地学現象を正しい用語を用いて説明できるか意識しながら、学習を進めていくことが求められている。
物理
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
◎大問数は昨年度と同様の4題構成で、第3問も同様に、A・Bパート分けされて出題された。設問数は3つ、マーク数も2つ減少した。毎年出題されていた実験に関する問題は見られなかった。難易度は昨年並みと思われる。
第1問:例年通りの小問集合で、様々な分野からの出題で、原子分野からコンプトン効果からの出題であった。
第2問:2物体の衝突問題で典型的な問題である。2体問題は保存則を確実に学習していた受験生は解けたと思われる。
第3問:Aの熱力学は、1サイクルにおける熱力学第一法則の理解ができていれば容易だったと思われる。Bの波動は、円形波と平面波の干渉に関する問題で、こちらも干渉における基本的な内容ができていればある程度対応できたと思われる。 第4問:電界や磁界中での荷電粒子の運動に関する問題で、電界中での運動は運動方程式より等加速度運動で、磁界中での運動は円運動となる典型的な問題であった。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
◎今年度は複雑な計算はなく、法則・公式の導出をしっかりと学習し、過去問で対策ができていた受験生は高得点が望めたのではないだろうか。共通テスト特有の探究活動の問題は出題されなかったが、次年度以降も出題されないとは限らない。今後の学習としては教科書中心の学習をし、公式をただ単にあてはめる学習ではなく、公式の成り立ちを理解するように心掛けてほしい。教科書の探究活動はノートにまとめておくと効果的である。
化学
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
◎昨年度に比べて、高いレベルの思考力を要求する問題が減少し、正誤問題が増加した印象であるので、平均点は昨年度よりも上がると思われる。第1問にアルコールロケットの問題が出題され、その後の展開に焦った受験生も多いと思うが、身構えたほど難しい問題ではなかったように思う。正誤問題も落ち着いて読めば明らかに誤りがある選択肢を見つけられたと思う。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
第1問:問3は飽和溶液中では溶解平衡の状態であることを知っていれば正解が選べる。問4の六方最密構造の問題も慌てずに解けば正解が選べる。問5のbはより、気体の圧力が物質量と絶対温度に比例することに気がつけば、反応の前後の物質量が与えられているので容易に解ける。
第2問:問1は発熱反応のエンタルピーが負の値であることで正解が選べる。問3が少し難しいかもしれないが、表から反応速度と平均の濃度からN2O5の分解反応が一次反応であることが判断できれば反応速度定数は容易に求められる。問4のaはNaHSO4の水溶液が酸性であることがポイントである。cは緩衝液の原理を理解していないと難しいかもしれない。
第3問:問1はNaH中のH原子は水素化物イオンH-なので酸化数は-1である。問2は自然発火するのは黄リンである。問3は演習不足の受験生は苦戦したかもしれない。問4は配位数は4だけでなく2や6もある。問5は難しく感じるかもしれないが頻出問題である。
第4問:問2はヨードホルム反応陽性が決め手である。問5のaはよく読めば難しくない。bが難しいかもしれないが,点Bが等電点であることが判断できれば容易に答えが出る。
第5問:問1のaは③を選べるかどうかがポイントである。bはケイ素の単体は光ファイバーではなく半導体である。問2が今回のテストで最も難しかったと思う。問3のbは平衡定数に水の物質量を考慮するかどうかで得点が決まる。 ◎今年度と同様の難易度の問題が来年も出題されるとは限らない。ただし,今年度の問題からすると日頃から化学の原理を丁寧に理解しておけば十分に対応できる。
生物
■設問ごとの特徴

■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
昨年度と同様に大問数は5題で、解答数も25個と変化はありませんでした。各大問につき解答数5個で配点も20点となっており、全体的に統一感のある構成となっています。
出題範囲としては、生物の広い範囲から網羅的な出題でした。進化と生態の単元からそれぞれ大問1題ずつ出題されており、バランスの良いものになっています。
難易度については、昨年度よりもやや平易な内容になりました。各大問のリード文の文量や横断的なテーマも盛り過ぎることなく、大問ごとに簡潔にまとまっています。考察を重視する姿勢は変わっていませんが、それぞれの大問の前半は知識のみで解答できるものが多く配置されており、得点を伸ばしやすかったのではないでしょうか。
各大問内でテーマが切り替わることもなく、選択肢の1つ1つも1つの根拠で正誤判断できる構成のものが多くなっていました。知識と考察の問題がバランスよく出題された、受験生の学力が反映されやすい適切な難度の問題であると言えます。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
リード文から情報を読み取ることも求められていますが、図やグラフなどの視覚情報から意味を読み取る必要がある問題が多く出題されました。同じグラフが与えられても、そこにある情報を読み取れる人と読み取れない人がいます。この「観察する眼」は、長い時間をかけてしか育てることができません。日頃の鍛錬が差を生んだと思います。また、全体的に標準的な難易度であるからこそ、取りこぼしなく全問にしっかりと解答する必要があります。1つの問題に固執せず、全体を俯瞰しながら解答する力も求められます。
知識を詰め込むだけでも不十分ですし、知識を身に付けないまま考察問題を繰り返しても効果的な学習にはなりません。しっかりと知識の下地を身に付け、それを的確に運用して解答できる良問に取り組むことで、総合的な力を育てていく必要があります。
数学ⅠA
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
・第1問〔1〕では「数と式」からの出題がなく、「集合と命題」単体での出題であった。集合に苦手意識のある受験生にとっては、苦戦を強いられる出だしになったかもしれない。
・第2問の「データの分析」では昨年に引き続き「外れ値」が出題された。「仮説検定」の出題はなかった。
・第3問では、「空間図形」が2年連続で出題された。丁寧な誘導がなされているので取り組みやすかったと思われる。「方べきの定理」をしっかり用いることができたかどうかが鍵になったと思われる。
・第4問は、リーグ戦における確率の問題であった。昨年のメインテーマであった「期待値」の出題はなかった。かなり丁寧な誘導がなされており取り組みやすかったと思われる。ただし昨年が易しかった分、やや難化とした。
全体的には文章量も減り、取り組みやすく思えるが、それぞれの大問の後半には考えさせる問題も見られ、昨年よりはやや難化と考えられる。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
共通テストで得点するためには、単に数学の力を付けるだけでなく、共通テスト用の数学の力を付ける必要がある。長い誘導を読み解き、整理する力などがそれである。このような力を付けるためには、やはり共通テストの出題形式に慣れるための演習が必要となってくる。受験生諸君が思っている以上に時間がかかると思ってほしい。理想的には、夏期頃から取り組みたい。高校3年生の1学期までには、数学の基礎的な理解をしっかり深めておくことが重要である。
数学Ⅰ
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
・数学ⅠAと共通問題をベースに大問構成は例年通りであった。
・数学Ⅰのみの出題であった部分に大きな特徴は見られなかったが、「データの分析」〔2〕の計算に苦戦した受験生は少なくなかったのではないだろうか。
全体的には、分量的にもほぼ平年並みであるが、昨年と比べると取り組みにくい問題が増えたように感じる。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
共通テストで得点するためには、単に数学の力を付けるだけでなく、共通テスト用の数学の力を付ける必要がある。長い誘導を読み解き、整理する力などがそれである。このような力を付けるためには、やはり共通テストの出題形式に慣れるための演習が必要となってくる。受験生諸君が思っている以上に時間がかかると思ってほしい。理想的には、夏期頃から取り組みたい。高校3年生の1学期までには、数学の基礎的な理解をしっかり深めておくことが重要である。
数学ⅡBC
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
第1問は図形と方程式からの出題で、領域に関する問題。(1)は2円の位置関係を求める問題。平易。(2)は2円を通る直線を円束の考え方をもとに導出し、与えられた不等式の領域を求める問題。「束」の考え方を理解している人には誘導の流れが見えたかと思うが、経験がなければ取り組みにくい問題。やや難。
第2問は三角関数からの出題で加法定理から和積の公式を導出する問題。誘導が丁寧で取り組みやすい。標準。
第3問は微分法と積分法からの出題で、3次関数のグラフの概形と面積に関する問題。(1)は具体的な3次関数が与えられており、その3次関数とx軸とで囲まれた部分の面積が要求された。標準。(2)は共通テストになってから頻出である具体的な関数が与えられておらず、導関数の情報から3次関数のグラフの概形を考えさせる問題。g’(0)がx=0における接線の傾きであること、g’(x)の符号からg(x)のグラフの増減を判断することが分かれば解ける。標準
第4問は数列からの出題で、差分の形から和を求めさせる問題。(1)は階差型の漸化式から{an}の一般項を求める問題。平易。(2)はdnを差分の形で表して、{dn}の和を求める問題。標準。(3)は誘導はないが、(2)から方針を類推すれば解けるだろう。一度経験がないと難しい。やや難。
第5問は統計的な推測からの出題で、資格試験の得点および合格率に関する仮説検定の問題。(1)は得点が120点以上である受験者の割合を正規分布表を用いて求める問題。平易。(2)(3)は標本平均に関する確率の問題、試験の合格率に関する仮説検定を行う問題。教科書の内容を理解していれば得点できる問題。平易。
第6問は平面ベクトルからの出題で、終点の存在範囲に関する問題。(1)は教科書レベルの問題。平易。(2)は始点を揃える式変形ができれば解答できる。標準。(3)はまずaを固定してb,cを動かすことで点Pの存在する範囲を考える。斜交座標の考え方を利用すれば解けるが、これも一度経験がないと難しい。やや難。
第7問は複素数平面からの出題。軌跡の概形が楕円になることから2次曲線との融合とも考えられるが、2年連続複素数平面からの出題と考えてよいだろう。w=f(z)型の軌跡に関する問題。誘導が丁寧で、誘導に従えば解きやすかった。標準。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
全体的に、計算量は少ないが、思考力が要求される問題が多かった。70分という時間で解くにはやや分量が多いかと思われる。
また、「問題の中で考え方を示し、その考え方を用いて次の設問を解答する」というような共通テストの特徴ともいえるような出題形式が多かった。これから受験生になる人は、今後数学を学習するにあたって
「定義を理解し,そこから何がわかるのか?」
「なぜそのような解法で解くのか?」
「わからない問題でも具体的な数値を代入するなど試行錯誤をする」
「煩雑な計算でも面倒と思わず果敢に挑戦する」
ことを意識してほしい。
教科書を中心に基礎演習を充実させ,応用問題に対応できる力を身につける必要がある。
特に今回は読解力を要する考え方と言うより,式の意味を考える思考力が問われた。また,図示による視覚的な解答群がより多くなっているため,数学の定義をしっかりと定着させ式と図形の両面から学習に力を入れておきたい。
情報Ⅰ
■設問ごとの特徴
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■講評
◇全体的な特徴(出題傾向・問題量・難易度など)
マーク数は昨年度の51から大幅に増加し、60となった。全体的に昨年度と比べて難化した。問題文中で用語の定義などの補足説明はほぼなかったため、昨年度のように「読めばある程度知識を補完してくれるような問題」にはなっておらず、教科書レベルの基礎用語をしっかりと理解していなければ、選択肢の意味を十分に読み取れなかった生徒も多かったのではないだろうか。
特に、前半の大問2つの難度が上がっており、ここで想定以上に時間を費やした受験者も多かっただろう。コンピュータの記憶装置や情報セキュリティ、ドメインなどの問題は旧課程の「情報関係基礎」でも頻出であったため、出題されるテーマの傾向自体にあまり変化は見られなかった。ただ、単に答えを選ぶだけでなく、その「仕組み」を理解しているかを問う形式の問題が非常に多く、表面的な暗記にとどまらない学習が必要であったといえる。 一方で、第3問のプログラミングはシンプルな構成であり、昨年度と似たようなテーマであったため、比較的取り組みやすかったのではないか。また、第4問のデータ分析については、後半の小問においてグラフの特徴がわかっていないと「データから何がわかるか」を問う問題に対して苦戦したことが予想される。
◇今回のテストで求められた力、来年度受験生へのアドバイス
比較的、扱われるテーマ自体に目新しさはない。しかし、用語の意味を正しく理解しているか―単なる暗記ではなく、「理解の深さ」によって問題の難易度の体感は大きく変わったと思われる。まずは、登場する用語をしっかりと定着させ、その意味や身近な活用例も含め、自分の言葉で説明できるまで落とし込んでいくような学習が必要である。プログラミングに関しては、過去問や演習問題を用いて普段から定期的に演習してきた受験生は対応しやすかったと思われる。 共通テストは、ただ覚えていくだけでは面白味もないかつ、そのような勉強を求めている試験でもない。特に、用語に対して「具体的な例示」を自分で考えて説明できるほどの理解を、まずは意識して取り組んでいってほしい。その際、教科書に載っている内容と説明をしっかりと読み込むことが大切である。今回の第4問などは、「何のためにそのグラフを用いるのか」という目的がわかった上で向き合えば、見え方(世界)が変わるはずである。また、今回は著作権等の直接的な出題はなかったが、これらも頻出分野なので次年度の受験生は今のうちから並行して手を付けていってほしい。

